【代表コラム】AI パンデミック
(Japanese only)

文:佐藤匠徳( Founder・代表取締役)

「AI」という用語のコモディティ化が進むにつれて、近年、「 AI パンデミック」( AI という用語の濫用現象)が起きています。この「AI パンデミック」についての私感と、当社(KTX)の研究開発ポリシーを述べたいと思います。

このところ、産学を問わず研究者の方々のニーズとして、《自分で論文やデータを一つひとつ網羅的に検索、読解、分析、解釈するのは重労働なので、機械に自動でやってもらいたい、それをやってくれるのが AI だ》という声をよく耳にします。

ただ、これは「AI」ではなく( → つまり「AI パンデミック」の一例)、単なる「自動検索エンジン」や「作業の効率化システム」であり、この手のサービスや商品(ソフトウェア)は、すでに市場に多数存在します。

しかし、そうではなくて、人間(研究者)のこれまでの経験や網羅的論文検索では抽出することができない、または到達できない、しかしながら既存のビッグデータからのロジカルな推論や統計学的な相関関係から新奇(新規)な作業仮説やモデルを出力できることが AI(真の意味での AI )の最大のメリットであると私は理解しており、KTX の AI システムも、そうした、新奇(新規)な作業仮説・モデルを創出するシステムとなっています。

AI 解析の最大の利点は、これまでの実験や臨床結果からはよくわかっていないモノ(物質)やコト(事象)をロジカルに抽出できる点にあります。

そのため、人間(研究者)が時間をかけて論文をたくさん読み込みさえすれば辿り着けるような作業仮説の創出ではなく、AI だからこそ予測・抽出できる新奇(新規)な、―そのため常識的な人の目には、突拍子もなく、アリエナイものに映るかもしれないような―、そうした作業仮説やモデルの創出、それらの実験および臨床研究での検証、そして、その結果をさまざまなステークホルダーの皆様へ迅速にお届けすることをポリシーとして、私たちKTXは、研究開発を行っています。